チイからの呼び出し
電話がなる。
「畑見てきたら白菜が虫だらけだ。薬はまいたのか」
「雨が降る前に薬を撒かないとダメだ」
平日のお昼。チイはお構いなしだ。
撒いた記憶はあるもののとりあえずこの薬を買いにホームセンターへ。
チイ宅へ向かう途中に雨。
薬を渡して労う言葉かと思ったが
「もう今日撒けないな」
「灯油がないからガソリンスタンドに頼んどいてくれ」
チイはお構いなしだ。
撒いてくると伝えても頑なに自分で撒くことを主張。
信用は失墜したようだ。
帰る途中、坂下の畑を見た。
除草剤を撒いた畦道。
多少効いてきたか。
これはタマネギか。
これは不明。
家から出る時、ありがとね、ありがとねと聞こえた。